“靴をうまく履けない”のは“姿勢”よりも“動作の順番”が混乱しているサイン
2025.03.14

“靴をうまく履けない”のはなぜ?
〜“姿勢”ではなく“動作の順番”が混乱しているサイン〜
—
◆「最近、靴を履くのにやたらと時間がかかる」
・左右逆に履こうとする
・かかとを踏んでしまう
・靴ベラを使っても履けない
・そもそも座り方が安定していない
──そんな場面を見て、
「姿勢が崩れてるな」「手先が不器用になったかな」と感じたことはありませんか?
でも実は、“動作の順番”がうまく組み立てられていない可能性があります。
—
◆靴を履く=“無意識のマルチタスク”
靴を履くという一連の動作には、
1. 椅子に安定して座る
2. 靴の左右を判断する
3. 足を持ち上げる or 靴を手に取る
4. 正しい角度で足を差し込む
5. かかとを押し込む or 靴ベラを使う
──このように複数の動作と判断を“順序どおり”に進める必要があります。
この“段取り”が脳の中で混乱すると、
途中で止まったり、順番を飛ばしたりすることが起きてしまうのです。
—
◆「履けない」ではなく「どう履いていいか分からない」
本人も、「なぜ時間がかかっているのか」「なぜうまくいかないのか」
自分で説明できないことが多いものです。
その背景には、
・認知の処理スピードの低下
・順序の記憶のあいまいさ
・手順の“開始と終了”の判断のズレ
といった脳の変化が隠れています。
—
◆支援する側ができる工夫
・左右を色やマークでわかりやすくする
・靴ベラの位置を常に同じにして習慣化する
・「今、何をしようとしているか」を声かけで確認する
・“手を出す”より“順番を整えるヒント”を与えることを意識する
支援は“やってあげる”より“順番を思い出させる”ことが効果的です。
—
◆まとめ
・“靴がうまく履けない”とき、原因は姿勢ではなく“手順の混乱”かもしれない
・靴を履く動作には、“脳の段取り力”が強く関係している
・焦らず、順序を一つずつ“整理してあげる支援”が安心につながる
その「もたつき」の裏にあるのは、忘れてしまった順番かもしれません。
気づいて声をかけるだけで、履ける靴が増えていきます。