「リモコンが押せない」それ、握力の問題だけ?〜指の巧緻性とリハビリでのアプローチ〜
2025.07.18

『リモコンが押せない』それ、握力の問題だけ?
〜指の巧緻性とリハビリでのアプローチ〜
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◆「リモコンのボタンがうまく押せない…」
最近、「リモコンのボタンが押しにくくなった」「タッチパネルが反応しない」
といったお悩みが高齢の方からよく聞かれます。
これ、握力の低下が原因と思われがちですが、実はそれだけではありません。
鍵を握るのは「指の巧緻性(こうちせい)」=細かく正確に動かす力なのです。
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◆握力だけでは測れない「手の使い方の衰え」
日常生活では、次のような操作が必要です:
– 押す(ボタン・スイッチなど)
– 回す(ドアノブ・ペットボトル)
– 持ち替える(コップ・タブレット)
– 掴んで離す(袋・小銭など)
これらには「手首・指先の連動性」や「微細なコントロール力」が必要です。
つまり、手の“細やかな動き”が衰えていると、些細な操作がうまくいかなくなります。
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◆指の巧緻性チェック!
こんな変化、ありませんか?
– 小銭が取りづらい
– 箸を持ちにくくなった
– ボタンのかけ外しに時間がかかる
– ボールペンのノックが固く感じる
これらに心当たりがあれば、指の巧緻性が低下しているサインかもしれません。
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◆リハビリで取り入れられる簡単なトレーニング
椅子に座ったままできる、指の巧緻性トレーニングを紹介します:
【1】指先タッチ
親指と人差し指・中指・薬指・小指を順番にトントンと合わせる
【2】おはじき移し
テーブルの上で、おはじきや小さいボールを一つずつ別の場所へ移す
【3】洗濯バサミつまみ
洗濯バサミをつまんで、厚紙などにつけたり外したりする動作を繰り返す
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◆手の動きは“脳”と密接に関係
手先の動きは「脳の活性化」にも直結しています。
特に指先を使った動きは、認知機能の維持や、感覚の衰えの予防にも有効です。
つまり、手先のトレーニングは「身体」と「脳」の両方を元気にしてくれます。
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◆まとめ
「握力だけ」で判断するのではなく、「指先の動き」にも目を向けましょう。
リモコンが押しづらいという“ちょっとした違和感”が、
生活機能の低下のサインになっているかもしれません。
気づいたときが改善のチャンス。
指の巧緻性、今日から少しずつ鍛えていきましょう。