“ベッドからの起き上がり”が大変なのは、“腹筋”より“寝具と動線”の問題かも?
2024.10.11

“ベッドからの起き上がり”が大変なのは、“腹筋”より“寝具と動線”の問題かも?
〜“力不足”ではなく“環境との相性”に目を向けよう〜
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◆「起き上がるのがつらい…」のは筋力だけのせい?
・朝、なかなか体が起き上がらない
・腕で支えようとしてもズルズル滑る
・毎回、“うんしょ、うんしょ”と声が出る
──これらは、腹筋や体力の問題だけではなく、
寝具の硬さ・高さ・滑りやすさ・手をつける場所など
「環境の工夫不足」によって起きているケースも多く見られます。
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◆環境によって“動きやすさ”は大きく変わる
例えば…
・ベッドマットが柔らかすぎる
→ 体が沈み、力が分散される
・ベッドの高さが低すぎる
→ 起き上がる際の角度が急になり、腰への負担増
・手すりやつかまるところが遠い
→ 姿勢を維持するだけで疲れてしまう
・ベッド周囲に“足を置くスペース”がない
→ 動き出しの一歩が出ない
本人の力以上に“動きにくさ”をつくっているのは、環境かもしれません。
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◆起き上がりやすくする“ちょっとした工夫”
・肘をつける位置にクッションを置く(滑り止めにも)
・ベッド横に簡易手すりを設置
・やや硬めのマットレスを使用し、“沈まない”サポート
・ベッドの高さを調整し、“足が床にしっかりつく”高さに
・寝返り→横向き→手で支えて起きる“分けて動く”起き方を習慣に
力を増やすより、環境を見直した方が早く・ラクに動けることもあります。
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◆「起きられない=衰えた」と決めつけないで
・「体が弱ったのかな…」と本人が落ち込む
・家族が“介助の前提”で接してしまう
・実は「ちょっと滑るから怖い」「腰がずれる感じがあるだけ」
そんな小さな違和感を言い出せず、“動けるチャンス”を失っていることもあります。
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◆まとめ
・起き上がりのしんどさは、筋力より“寝具や環境のクセ”によることが多い
・環境調整だけで「自分で起きられる」ようになる人も多い
・力をつけるより、“力を発揮しやすくする”サポートが大切
その「起きづらさ」、まずは“動きやすい場所づくり”から見直してみましょう。