“冷蔵庫を開けるだけで疲れる”は、筋力より“距離と高さ”の問題かも?
2024.10.04

“冷蔵庫を開けるだけで疲れる”は、筋力より“距離と高さ”の問題かも?
〜キッチンの配置が“やる気”を奪っていることもある〜
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◆たった数歩なのに、冷蔵庫に行くだけで疲れる…?
・立ち上がってから数歩なのに気が重い
・ドアを開けて中をのぞくだけで息が上がる
・「あとでまとめてやろう」とつい後回しに
──そんなとき、原因は筋力不足や体力の低下ではなく、
“動線の長さ”や“モノの位置の高さ”にあるかもしれません。
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◆冷蔵庫動作には、意外と多くの機能が必要
1. 立ち上がる
2. 歩いて向かう
3. ドアを開ける(片手で支えながら)
4. 中を探して取り出す(姿勢保持)
5. 持ったままキッチンに戻る
──これらすべてにバランス・体幹・注意力・腕の可動域が必要です。
ほんの10秒でも、「疲れる条件」がそろってしまうのです。
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◆“疲れやすい配置”の特徴
・冷蔵庫が「キッチンの角」にあり、動線が長い
・ドアの開き方向が逆で、毎回ねじれて取る
・必要なものが「下段の奥」にあってしゃがみ込みが必要
・取っ手が高すぎて、腕が肩より上に上がる
環境が“疲れる動き”をつくっているケースも多いのです。
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◆ちょっとした改善で「動きやすさ」が変わる
・よく使う食材は“目線~胸の高さ”に移動
・冷蔵庫の側に椅子や簡易手すりを設置
・出し入れ頻度の高い物は「ドアポケット」に集約
・立ち上がりやすいようにイスの位置を調整
・冷蔵庫~調理台の距離を「手が届く範囲」に工夫
身体ではなく“配置”を変えることも、立派なリハビリです。
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◆まとめ
・「冷蔵庫に行くだけで疲れる」のは、筋力ではなく“動線の設計”のせいかも
・在宅リハビリは、“生活のしやすさ”を中心に考えることが大切
・「動ける体」を支えるのは、「動きやすい配置と高さ」
“生活を整えること”=“体をラクにすること”。環境の見直しから始めてみましょう。