“ありがとう”を何度も言う人は、“何かを感じとっている”のかもしれない
2025.04.18

“ありがとう”を何度も言う人は
〜“何かを感じとっている”のかもしれない〜
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◆「ありがとう」「すみません」がやたら多くなった
・介助のたびに毎回「ありがとう」を言う
・何度も「悪いね」「申し訳ないね」と繰り返す
・ちょっとした声かけにも頭を下げる
──そんな姿に、
「丁寧すぎるな」「気を遣いすぎてる?」と感じたことはありませんか?
その言葉の裏には、
本人なりの“感じていること”や“気づいていること”が隠れているかもしれません。
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◆感謝が増えるのは“受け身”の時間が増えたから
年齢や病気により、
「人の手を借りる」場面が多くなると、
人は“申し訳なさ”や“居場所のなさ”を感じるようになります。
・迷惑をかけているのでは
・感謝を伝えないと自分の存在が薄くなってしまうのでは
・「まだ気づけている自分」を伝えたい
そんな思いの代弁として出てくるのが、“ありがとう”という言葉なのです。
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◆感謝の裏にある“敏感さ”と“孤独”
「ありがとう」を繰り返す人ほど、
・周囲の空気にとても敏感
・相手の手間や気持ちをよく感じ取っている
・頼ることへの“遠慮と罪悪感”を抱いている
それは“優しさ”であり、“繊細な心の防衛”でもあります。
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◆家族や支援者にできること
・「こちらこそありがとう」と受け取る
・感謝に対して“否定”ではなく“共有”で返す
例:「そう言ってもらえてうれしいよ」
・「一緒にやってるだけだから気にしないでね」と、対等な関係性を言葉にする
・何度も言われても“毎回ちゃんと返す”ことが、安心感につながる
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◆“ありがとう”は、存在を確かめる行為
“ありがとう”を言うことで、
・ここにいていいという安心
・気づいてもらえているという実感
・人とのつながりを再確認することができる
つまり「生きている実感」を言葉にしているとも言えるのです。
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◆まとめ
・「ありがとう」が増えた背景には“感受性”と“遠慮”がある
・繰り返す感謝は、本人なりの“存在の表現”かもしれない
・否定せず、受け取り、共に共有することが信頼関係を育てる
何度でも、ありがとう。
その言葉を、心から返せる関係でいたいですね。