“ゆっくりしか歩けない”のは、筋力ではなく“重心移動”の問題かも?
2024.10.18

“ゆっくりしか歩けない”のは、筋力ではなく“重心移動”の問題かも?
〜“力はあるのに進まない”歩きのナゾを解く〜
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◆「歩けるけど、すごくゆっくり」その理由は?
・筋力トレーニングはできている
・支えがあれば転ばずに歩ける
・でも、なぜか“スピード”が出ない
このようなケースで注目したいのが、「重心移動のしにくさ」です。
実は「進む」には、筋力より“体の重みを前に送る感覚”が重要なのです。
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◆“進まない歩き”の背景にある3つのポイント
1. 重心を前に出すのが怖い
→ 転倒経験や不安感が、“踏み出す”ことをためらわせる
2. 片足に体重を乗せるのが不安定
→ 足が前に出せても、体がついてこない
3. 姿勢が後ろに残っている
→ 上半身が後ろに残り、ブレーキをかけたまま歩いている状態
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◆“進む感覚”を取り戻す工夫
・歩く前にその場で“左右の足に体重移動”してみる
・やや“前のめり”を意識して背すじを伸ばす
・足を出すときに“腰から一緒に出す”意識をもつ
・壁沿いや平行棒で“体を前に乗せる感覚”を練習する
重心を「送る」感覚を少しずつ取り戻すことが、スムーズな歩きにつながります。
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◆ゆっくり歩き=“慎重”ではなく“停滞”かもしれない
・「安全のためにゆっくり」が続くと、かえって動作が不安定になることも
・“止まりながらの歩行”は、エネルギーを消耗しやすく、疲れやすい
・適度な“重心移動”が、結果的に安定した早さを生む
「速く歩く」ではなく、「滑らかに進む」ことが目標です。
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◆まとめ
・「歩けるのに遅い」原因は、“筋力不足”より“重心移動の苦手さ”かもしれない
・転倒への不安や体の使い方のクセが、進みにくさにつながっている
・スムーズに進む=“体の前への流れ”を取り戻すこと
歩行の質は、“スピード”より“流れ”で変わります。