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“同じ道ばかりを歩きたがる”のは“安心”と“空間記憶”に理由がある

2025.12.12

“同じ道ばかりを歩きたがる”のはなぜ?
〜“安心”と“空間記憶”に理由がある〜

◆「いつも同じコースじゃつまらない」と思っていませんか?

「またこの道?」
「たまには違うところに行こうよ」
──そう言いたくなる気持ちもわかります。

けれど、“同じ道ばかり歩きたがる”のは、
高齢者特有の“脳と心理”の変化による自然な行動かもしれません。


◆「空間記憶」の消耗と“予測できる安心感”

年齢を重ねると、
・地図を思い描く力(空間認識)
・新しい風景を記憶する力
・ルートの選択や判断

こうした“空間記憶”や“判断力”が少しずつ衰えていきます。

慣れた道であれば、
迷わず歩ける・危険も予測できる・周囲を気にせず歩ける──
これが“安心して歩ける環境”をつくっているのです。


◆「道を覚える」ことは、脳にとって意外と重労働

「新しいルートに挑戦してみませんか?」
という声かけは、
実はかなり高い認知負荷を相手に与えている可能性があります。

道順・目印・信号・車の動き・足元の段差──
新しい道は情報が多く、脳が疲れやすいのです。

◆「いつも通り」だからこそ体がよく動く

同じ道を歩くことで
・歩幅やスピードが安定する
・“考えなくても動ける”から、リズムよく歩ける
・景色に集中せず、足元に意識が向けやすい

“運動の質”が上がるというメリットもあるのです。


◆変化を求めすぎず、“安心”を大切に

もちろん、たまに違う道を歩くのも刺激になります。
でもそのときは、
・地図や写真で事前に伝えておく
・最初は“横について歩く”
・信号や段差などに配慮する

といった“安心の担保”があると、脳も体も動きやすくなります。


◆まとめ

・“同じ道ばかり歩く”のは、空間記憶や判断力を守るための自然な選択
・慣れた道があることで“自立した外出”が続けられる
・変化よりも、“安心して歩ける道”を一緒に見守ることが何よりの支援

その道は、安心して生きるための“習慣の地図”かもしれません。

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