“やたらと物を触る”ようになったら──“安心感を確かめる行動”かもしれません
2025.04.25

“やたらと物を触る”ようになったら
〜“安心感を確かめる行動”かもしれません〜
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◆「最近、手がずっと動いている気がする…」
・テーブルの端をずっと撫でている
・ティッシュや洋服を頻繁にいじる
・手元のコップやスプーンを何度も持ち直す
──そんな“手の動き”に気づいたことはありませんか?
実はそれ、
本人なりの“落ち着こうとする行動”なのかもしれません。
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◆触覚は“もっとも安心を与える感覚”
人間の五感の中でも、触覚はもっとも原始的で、記憶と結びつきやすい感覚です。
肌に何かが触れていると、
・「今ここにいる」という実感
・「何かをコントロールできている」という感覚
・「自分の存在を確かめる」安心
──こうした心理的な安定につながっているのです。
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◆“やたらと触る”は不安のサイン?
高齢者や認知症の方が
「特に理由なく手を動かしている」ように見えるとき、
実は心の中では──
・環境が変わって落ち着かない
・相手の言葉がよく聞き取れていない
・自分の居場所があいまいに感じている
という不安や混乱を抱えている可能性があります。
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◆周囲にできること
・「やめさせる」のではなく、安心して触れられるものを渡す
・そっと手に触れ、ゆっくり声をかける
・「何してるの?」ではなく「ここにいるよ」と伝える
・環境音や照明が強すぎないかも見直してみる
“触れている”こと自体を、安心のサインとして受け止めることが大切です。
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◆まとめ
・“やたらと物を触る”行動は、心を落ち着けようとする無意識の行為かもしれない
・触覚は、安心や存在感を取り戻すための感覚でもある
・行動を止めるのではなく、安心できる環境づくりで心を満たすことが大切
何気ない手の動きが、心の声かもしれません。
その“理由のない行動”にこそ、やさしいまなざしを。