“昔はできたのに…”が心を疲れさせる!?〜自信を守るリハビリの工夫〜
2025.11.07

“昔はできたのに…”が心を疲れさせる!?
〜自信を守るリハビリの工夫〜
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◆「昔はこれくらい簡単だったのに…」
・以前は階段をスイスイ上がれていた
・重たい荷物も平気で持ち上げられた
・人の名前や予定だってすぐに思い出せた
そんな“昔できていたこと”ができなくなると、
多くの人が「なぜこんなことで…」と自信を失い、
落ち込んでしまいます。
でも実は──
この“昔と比べる”こと自体が、心の疲れのもとになっているのです。
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◆“自信の低下”は、身体より先に心を弱らせる
リハビリの現場でよくあるのが、
「できない自分にショックを受けて動けなくなる」というパターン。
・挑戦を避けるようになる
・言われても動こうとしなくなる
・他人の手を借りることを極端に嫌がる
こうした行動の背景には、“喪失感”や“プライドの崩れ”が隠れています。

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◆“今の自分”を肯定するリハビリ視点
リハビリで大切なのは、“できなくなったこと”に目を向けすぎないこと。
代わりに大切なのは、
・「できていること」に注目する
・「できそうなこと」を一緒に探す
・「昔」と比べず「今日の一歩」を褒める
「◯年前と比べてどうか」ではなく、
「昨日より少し良くなったか」で見る視点が、
心に余裕と自信を取り戻すカギになります。

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◆家族や支援者ができる“声かけ”の工夫
・「できてるよ」「前よりスムーズだね」と進歩を認める
・「無理しなくて大丈夫」と安心を伝える
・「今日はここまで頑張ったね」とプロセスを褒める
・「一緒に考えよう」と孤独にしない
“できないことを責めない関わり”が、
自信を回復させる何よりのリハビリになります。

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◆まとめ
・「昔できたのに…」という思考は、心の疲労を招きやすい
・“今の自分”に目を向けた声かけ・関わりが回復を助ける
・リハビリの本質は、“体”だけでなく“心”を支えること
“できなくなった自分”を責めるよりも、
“今日できたこと”に目を向けることで、
明日を前向きに歩く力が育まれていきます。














