“杖”を使うと歩けなくなるって本当?〜その誤解が命取りになる理由〜
2025.10.17

“杖”を使うと歩けなくなるって本当?
〜その誤解が命取りになる理由〜
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◆「まだ杖なんていらない!」…その気持ち、よく分かります
リハビリ現場ではよく耳にします。
「まだ自分で歩けるから杖はいらない」
「杖に頼ったらもう戻れない気がして…」
そんな声の背景には、「杖=衰えの象徴」というイメージがあります。
でも実は、“杖を使うこと”は「衰えを防ぐ行動」でもあるのです。
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◆“歩けるうちに使う”ことが大事
転倒は、寝たきりの最大の原因の一つ。
そして、転倒の多くは「杖を使うべきだった人」が「使わなかった時」に起こります。
杖を使うことで
・一歩が安定し、足の出が良くなる
・体幹のバランスがとりやすくなる
・足への負担が軽減される
など、“歩き続ける”ための補助になるのです。
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◆“杖を使っても退化しない”理由
「杖を使うと筋力が落ちるのでは?」という声もよくあります。
しかし、正しく使えば、
「杖で守った体が、動く余裕を取り戻す」という好循環が生まれます。
むしろ、怖さから歩行を避けてしまい
“歩かなくなる”ことの方が、筋力低下を早めてしまうのです。
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◆“杖の選び方”にもコツがある
・握りやすさ(手が疲れない素材)
・高さの調整(肘が軽く曲がる位置)
・使う側(痛い足の“反対の手”で持つ)
適切なアドバイスを受けながら選ぶと、身体への負担も大きく減ります。
福祉用具の専門職やリハビリスタッフに相談してみましょう。
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◆まとめ
・杖は「頼る道具」ではなく「歩き続けるためのサポーター」
・使うタイミングを見誤ると、転倒・骨折リスクが上がる
・杖を使って“安全な自由”を手に入れよう
杖は「衰えの証」ではありません。
それは、“未来の自分を守る道具”なのです。