“耳が遠い”だけじゃない?〜会話が噛み合わない本当の理由〜
2025.10.24

“耳が遠い”だけじゃない?
〜会話が噛み合わない本当の理由〜
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◆「何回も同じこと言ってるのに…」
高齢者との会話で、
「返事はするけど、内容がかみ合わない」
「聞こえているはずなのに通じていない」
と感じること、ありませんか?
このとき、「耳が遠くなったせいかな?」と思いがちですが、
実は“聴こえているのに、言葉の意味が届いていない”可能性があるのです。

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◆“聞こえる”と“理解できる”は別もの
加齢に伴い、「聞き取り」だけでなく
“情報処理能力”や“言葉の意味をつなぐ力”も少しずつ低下します。
たとえば…
・話すスピードが速いとついていけない
・途中で話題が変わると混乱する
・複雑な言い回しが理解できなくなる
こうした変化は、耳ではなく「脳の会話処理機能」の問題です。

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◆“認知機能”との関係に注目
「聞こえているのに通じない」背景には、
軽度の認知機能低下(MCI)が関わっていることもあります。
これは誰にでも起こりうるごく自然な変化ですが、
“早めに気づく”ことが、対応やサポートの質を大きく左右します。
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◆伝わる会話のポイント
・ゆっくり、はっきり、短く話す
・話す内容は一文ずつ、話題を飛ばさない
・表情やジェスチャーも添えて伝える
・「質問」よりも「選択肢」で伝える
例:「何が食べたい?」→「うどんとおにぎり、どっちにする?」

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◆まとめ
・会話が噛み合わない原因は「耳」だけではない
・脳の処理力や理解力の変化も見逃さないことが大切
・“伝え方”を変えるだけで、関係がぐっとスムーズになる
「なんで伝わらないの?」から
「どうしたら伝わるかな?」に変えると、
会話はもっと温かく、やさしくなります。













